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壁面を走行し打診検査
IDA-03は、プロペラの推進力と走行輪で、垂直な壁面を移動しながら打診検査を行う装置です。
ビルのタイル外壁の浮き・剥離の診断や、橋脚・トンネルなどインフラ構造物の打診検査を行えます。
導入メリット
打診検査の現状と課題
検査ニーズの拡大
高度経済成長期に建設されたビルやインフラの老朽化が指摘され、コンクリート建造物の検査業務の負担拡大しています。
- 2008年建築基準法改正による全面打診検査の義務付け
- 2013年の「インフラ長寿命化基本計画」
検査コストに占める足場コスト
一般的な検査方法は、ハンマーで外壁を叩いた音の変化を耳で聞いて判断する「打音検査」です。技術者が検査箇所にたどり着くための「足場を組む」「屋上からゴンドラを吊り下る」などが、検査コストの大部分を締めている現状があります。また、検査には高い技術力が求められ、技術者不足も問題となっています。
その課題、IDA-03が解決します!
足場不要でコスト削減!
危険な場所の検査も容易に
打診検査では診断装置・技術者を測定箇所に運ぶ手段が必要であり、そのための足場の設置や屋上からのゴンドラの吊り下げに大きなコストがかかってきました。
IDA-03はドローン技術を応用し、壁面を走行して目的地まで移動。足場やゴンドラの設置コストが不要となるほか、人が近づけないような危険な場所の検査が容易になります。
近隣の安全性を確保
ロボットによる外壁検査には、ドローンによる赤外線検査もあります。しかし、ドローンは航空法の規制を受けるため、エリアや高度に制限があります。また、強風などの自然環境の影響を受けやすく、落下等のリスクも小さくありません。
IDA-03は壁面を走行するため、ドローン規制の影響を受けにくく、正確な検査が可能。命綱やネットの併用で落下リスクを大幅に削減し、安全性の向上にも寄与します。
技術者不足を解消! 検査精度もアップ
建物・インフラの老朽化が進み、検査ニーズが拡大するなか、技術者不足が社会問題となっています。
IDA-03に搭載された打診検査装置は「波形データの分析」で判断。従来の「技術者の耳」で判断する手法に比べ、検査の精度・信頼性が高まり、技術者の感覚に頼らない検査が可能になります。
IDA-03の特徴
IDA-03の機構
ビルの外壁診断では、診断のための装置を「どのようにして測定箇所に運ぶか」が課題。『IDAビル外壁診断』では、ドローン技術を応用して、
- プロペラ推進力で打診検査装置を壁面に押し付ける
- 走行装置で壁面を移動する
- 専用のハンマーにて打撃する
これらの方法を組み合わせ、測定したい場所へ正確に移動・測定します。
電源と操作ステーションは地上や屋上に置き、遠隔操作できます。
測定原理
衝撃弾性波診断技術による計測から周波数解析
コンクリート表面を鋼球等で打撃すると衝撃弾性波が発生し、波動がコンクリート中を多重反射します。この多重反射の周期を求めることにより、健全部と剥離部を判別します。
健全なエリアと剥離の起こったエリアの打撃応答反応を比較すると、剥離部では健全な部分に比べ周期が長いのが分かります。また、時間の経過とともに、さらに周期が長くなることも読み取れます。 周波数の分布をコンター図で色分け表示すると、壁面の剥離部が浮かび上がります。
打撃応答反応の比較
周波数分布
IDA-03の用途例
-
ビル外壁
剥離やタイル浮きの診断
-
橋やトンネル
インフラ構造物の点検
-
ダムや水門・樋門など
大規模構造物検査
技術仕様
- 登壁距離
- 50m
- 安全装置
- 調査躯体頂部からのワイヤー吊り下げ機構
- 電源
- 装置本体 : 有線給電による電源供給
ユニット : バッテリーによる電源供給 - 装置稼働時間
- 連続運転 30分(ユニットバッテリー供給制限)
- 移動速度・移動方向
- 速度 : 最大 30cm/s 方向 : 縦方向のみ
- ペイロード
- 1.5Kg
- 操作
- ラジコン方式 2.4GHz
- 段差乗り越え
- 20mmの段差乗り越え
- 打撃ユニット
-
- 入力 : 直径15mm鋼球による打撃
- 受信 : 加速度計ピックアップ 1ch式(PCB社製使用)
- 解析 : 周波数解析
- Webカメラ搭載(打撃部確認用)
- 本体搭載PC
-
- 打撃装置・Webカメラは本体搭載PCにより制御
- 本体から地上局PCにLANケーブルで接続し、データを送受信
- オプション
-
- 躯体目視用カメラにて、リアルタイムHD映像を転送
- 位置情報取得センサー
- 最大積載量
- 1.5kg
- 特許登録済
- 特許6209158号
FAQ
お問い合わせ・販売について
本体の価格は幾らくらいですか?
お客様のご要望/仕様により前後いたしますので、詳細はお問い合わせください。
資料をメールで送っていただけますか?
お問い合わせフォームからご要望ください。
現場での実機デモンストレーションは可能ですか?
担当者が現場へ赴いての実機デモンストレーションは可能ですが、有償対応(別途お見積もり)となります。また、現場所在地及びスケジュールの調整が必要です。詳細はお問い合わせください。
IDA-03の仕様について
どのくらいの高さまで登れますか?
本体の仕様上、登坂距離は50mです。
発電機の能力はどのくらいのものが必要ですか?
明確な規定はありませんが、概ね4.5kVA~5.5kVAクラスであれば問題ございません。
航空法などに抵触しないのですか?
本製品はドローンではなく飛行しないため、航空法などの規制には影響を受けにくいですが、ご利用環境により騒音について確認が必要です。
連続動作時間はどれくらいですか?
ファン駆動用の有線での電源供給は連続運転で30分以内とし、インターバルを入れてください。移動用走行輪のバッテリ駆動時間は約5~7分の見込みです。
操作に免許や資格は必要ですか?
低圧電気取扱業務特別教育の受講が必要です。
天井の走行は可能ですか?
今回のリリースモデルでは壁面から天井への移動が出来かねます。ただしプロトタイプの試験において天井での移動に関しては技術的に可能であることを確認しておりますので、改善要望をご確認させていただき、カスタマイズ対応できる可能性がございます。
IDA-03の性能について
濡れた壁面でも走行可能ですか?
濡れている壁面での走行に関して本体性能上の問題はありませんが、接地面との摩擦力が低下するため乾燥した壁面での操作と比較した場合、走行スピードの低下や、タイヤの空転等が考えられます。また、タイヤが壁面の水分を巻き上げた際、飛沫が本体内部への浸入し、故障の原因となることが考えられます。
雨天でも使用可能ですか?
雨天での使用は推奨できかねます。本体内部に雨水が浸入し、故障の原因となる可能性があります。
粉塵の舞う中での使用は可能ですか?
粉塵内での使用は推奨できかねます。本体内部に粉塵が浸入し、故障の原因となる可能性があります。
騒音レベルはどれくらいですか?
参考値ですが2m地点で約96db(騒々しい工場内と同レベル)です。
位置情報の取得は可能ですか?
現在位置情報取得用のセンサ搭載を検討中です。
お問い合わせ
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Tel.055-977-5151
(受付時間 : 平日 9:00 〜 18:00)